オーストラリアの祝日の謎:クイーンズバースデー

オーストラリア生活
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日本に比べて圧倒的に日数は少ないのですが、オーストラリアにも祝日(Public holidays)は当然ありまして、会社や学校はお休みになります。

日本と違うのは、州が定める祝日があって、同じオーストラリアでも州によって祝日の設定が違ったりすることです。

たとえば、シドニーがあるNSW州やSouth Australia州では2020年10月5日(月)がレイバー・デーで祝日なのですが、その日はVictria州やTasmania州では祝日ではありません。

州に州独自の祝日が設定できる権限があるということですね。

ただ、オーストラリアに来て○年になりますが、恥ずかしながらあまりちゃんと理解しておらず、ずっと変だなぁと思っていたのが、クイーンズバースデー(Queen’s Birthday)という祝日です。

オーストラリアはイギリスの君主を自国の君主(元首)とする英連邦王国、Commonwealth realmの一員でありますので、クイーンといえば、もちろん、エリザベス2世 (Queen Elizabeth II) です。

https://twitter.com/RoyalFamily/

クイーンズバースデーというからには、お誕生日のはずなのですが、これも州によって日にちが違うのです。

2020年のQueen’s Birthday
NSW州 他 → 6月8日
West Australia(WA)州 → 9月28日
Queensland(QLD)州 → 10月5日 

バラバラ。なぜ。。。

しかも、来年2021年には、各州の中でも日にちも変わります。NSW州他は6日もズレてます

2021年のQueen’s Birthday
NSW州 他 → 6月14日
West Australia(WA)州 → 9月27日
Queensland(QLD)州 → 10月4日 

ちなみにこれ全部月曜日。土日と合わせて三連休にしちゃってます。

なお、エリザベス2世 (Queen Elizabeth II)の誕生日は、1926年4月21日だそうです。ますますわけわかりません。

なぜ、こんなことになっているかというと、もともと古くからイギリスの君主の誕生日の習慣として、実際の誕生日とは別に、”公式な”誕生日を持つ習慣があったことに由来しています。

この習慣は、今から250年以上前、King George II世 のときから始まりました。

このKing George II世がイギリスであまり天候がよろしくない11月が誕生日だったようで、パレードなんかで盛大に祝いたい親であるKing Georgeが、天候が良い6月でしかも軍のパレードが行われる日と一緒にしてしまったのが始まりだそうです。

で、エリザベス2世の実際の誕生日は4月21日ですが、イギリスでは公式な誕生日は6月の第2土曜日に設定されています。

そして、オーストラリアのNSW州他は、6月の第2月曜日がクイーンズバースデーとしているわけです。2020年と2021年で6日もズレる理由が第2月曜日に設定しているためだというのがわかります。

じゃぁなんでWA州は9月末なのよ、というとWA州の6月の祝日に起因します。

WA州は、6月の第一週の月曜日がWestern Australia Dayという州の祝日がありまして、まぁ州の創立記念日みたいなものです。それを優先させて、別の日にクイーンズバースデーを設定しているというのが理由です。WA州内の一部の地域では、さらにまた別日を設定しているところもあるようです。ややこしい。

QLD州はさらにややこしいです。
2012年のエリザベス2世の即位60年を祝うイベント(Diamond Jubilee of Elizabeth II)が6月にあったため、その年のクイーンズバースデーを10月に実施。そこから3年はNSW州などと同様に6月にクイーンズバースデーを実施。2016年にはまた10月に戻して今に至ります。
なぜに2016年に10月になったかというと、レイバー・デーが10月から5月に移動になったため、祝日を分散させるために、6月のクイーンズバースデーを10月に移したというのがその理由です。
レイバー・デーはメーデーと言われるように、一般的に5月におこなわれます。当時のQLD州政府のイデオロギーから本来行われる5月に移したというのが背景にあるようです。ややこしすぎる。

いずれにせよ、オーストラリアは祝日が少ない(日本が多すぎるかもしれない)ので、もっと増やせばいいと思うんですよねー。

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