オーストラリアに駐在してから○年が経ちました。
未だ、英語は得意とは言えませんが、メンバーと仕事の会話は滞りなくでき、日本との会議でも通訳、ファシリテーションなんかもやったりしています。
こちらに来る前は、仕事で英語は使ったこともなく、駐在が決まってからは英会話やらなんやらに通って、なんとかTOEICは800までになりましたが、実際赴任してみるとまったく歯がたたず。
赴任当日にインド出身とオーストラリア出身の3人で早速打ち合わせしたら、もう何を議論しているのかまったくわからず、しまいに片頭痛でダウンしたという苦い思い出があります。
またある時は、社外との打ち合わせに出たときに、話の流れとはまったくはずれたコメントをしてしまい、出席された方々の「こいつ大丈夫か?」という視線が未だ目に焼き付いております。(今思い出しても胃が痛くなります。)
私の場合、オーストラリアはもちろん、ニュージーランド、イギリス、アメリカ、ヨーロッパ、インド、中国、東南アジア諸国などなど、様々な国から来た人たちと一緒にする機会があり、ただでさえクセの強い発音をするオーストラリア人や、各国のいろいろな英語を話す人達の言ってることを聞き取らなければならないというハードルもあり、たいへん苦労することになります。
グローバル化がますます進み、オンラインで多国籍の英語話者と仕事する機会もますます増えてくると思います。実際に英語を仕事で使わざるを得ない人向けに、駐在で苦労した経験を元に、ビジネスで使える英語の習得方法を紹介したいと思います。
スピーキングとリスニングの「トレーニング」
文法は中学レベル程度あれば十分、読解力や文章作成は最近の機械学習で精度の上がったWebの翻訳サービスを活用して、メールのやり取りなどの中で徐々にできるようになれば良いと思います。
まずは、聞く、話すをどうにかしたい人が多いのではないでしょうか。
急に英語のオンライン会議に呼ばれてしまった。
外国の出張者から話を振られて理解できない。
なにか話そうと思っても伝わらず照れ笑い
などなど、大丈夫です。
以下のトレーニングを積むことで、なんとか乗り切れるようになります。
残念ながら英語の場合、すこし前には流行ったス○ードラー○ングのような楽してショートカットできる学習法はありません。ただ、効率の良いやり方でスピーキングとリスニング力を向上させることはできます。
英語は学問で学習するものだという考えを捨てる
いきなり精神論みたいで申し訳ありません。
ある企業向けの英会話レッスンを数多く手掛ける先生が、英語はスポーツだと称していました。まさにそのとおりで、スピーキングとリスニング力を向上するには、筋トレのような英語の負荷を与えることが重要です。
当初の私のように、英語は学習するものだという意識の中、机で単語帳でひたすらボキャブラリーを増やそうとしたり、ビジネス英会話で使われるフレーズを覚えたり。もちろんこういう暗記は重要なのですが、英語の負荷を与える「トレーニング」を中心にしないと、暗記した効果はなかなかでてきません。
英語の負荷を与えるには?
一番良いのは、マンツーマンで英語話者とディスカッションすることです。
簡単な話題でもいいので、聞く、相手の言ってることを理解して、自分の意見を考え、それを英語で口からだすというサイクルを繰り返すというのが大事です。
これは駐在員仲間の間でよく言われることなのですが、ネイティブスピーカーと口喧嘩をするとリスニングとスピーキングの能力が格段に上がるということがあります。口喧嘩の場合、緊張感の中で、聞けないけど頑張って聞こうとする、相手の主張を理解しようとして、それに対して言い返すという、強烈な英語の負荷を受けることで、頭に英語を聞く/話すという筋力(実際は筋肉ではありませんが)がアップするということです。
英会話スクールのグループレッスンなんかは、他のメンバーと講師が話している間があったりして、負荷がかかりにくく、緊張感もないためあまり効果がないのだと思います。
スピーキングとリスニングのトレーニングのやり方(自主練)
そうはいっても、そんなネイティブスピーカーとディスカッションしたり喧嘩するにも、ある程度スピーキングとリスニングができないと苦しいだけですし、精神衛生上よくないです。
ここでは、どうやって自主練をするかをご紹介します。
スピーキングとリスニングを分けておりますが、これらの2つは表裏一体。ミックスしてやることをおすすめします。
スピーキングのトレーニング
英語で独り言を言う
たとえば、「あー疲れた」などという日本語で言うような独り言を全部英語で言うようにします。そしてそのフレーズを繰り返して口にします。
りんごがあれば、This is an apple. This is an apple. This is an apple.
ごはんが美味しければ、I like it. I like it. I like it.
そんな感じから始めてみましょう。そこから仕事関連の独り言に広げていき、それに付随して、言い方がわからなかった英単語もしらべて口にすると、覚えるだけではなくて使えるボキャブラリーになります。
なにはともあれ、口から英語を出すことが大事です。
この独り言は、今でも、出勤前や、英語の会議前など、頭を英語モードに変える上で非常に有効な手段でやっている方法です。
英語の教材を利用する
独り言をつぶやくのは良いトレーニングなのですが、どうしても自分が知っている単語や文法をベースにしてしまったり、正解を確認するのが面倒だったりします。
そこで、独り言トレーニングに加えて以下の教材を使って、英語を口から出すトレーニングをすることをおすすめします。


この書籍がいいところは、中学1年レベルの文法から段階的に難易度があがっていきます。
ページの左側に日本語、右側に英語が記載されており、日本語で見た文章を即座に英語で話をして、答え合わせができるというところです。
フレーズを覚えるのではなく、あくまで脳と口の筋肉を鍛えるということが重要です。
リスニングのトレーニング
TOEIC800前半くらいでは、まだ映画はやめたほうが無難です。映画は正直、まったく聞き取れないまま、時間を浪費していやになると思います。(同じシーンを繰り返してみることに、、、)
質の良いリスニング教材をつかう
そこで書籍やアプリを使うことになるのですが、本当にネイティブなの?というような発音の書籍もあったりしますので、質の良いリスニング関連の教材を使うのが大事です。
私がいろいろ使ってきた教材の中から、おすすめのものを紹介したいと思います。難易度が比較的低いものからリストしてます。
究極のビジネス英語リスニングVol.2
究極のビジネス英語リスニングVol.2は、クセのない英語で聞き取りやすく、取っ掛かりにはよいと思います。ストーリー仕立てなので楽しめるかと思います。

究極のビジネス英語リスニングVol.3
続編の、究極のビジネス英語リスニングVol.3 になります。多国籍企業ということで、米英国以外の英語話者が登場してきます。

生英語で聞く外国人の本音クロストーク
生英語で聞く外国人の本音クロストークは様々な国の出身のメンバーが、仕事や不動産など様々な話題について雑談するというものです。本書の紹介にあるように、雑談なのでかっちりした台本がなく、話すスピードも緩急がつくので、複数人の自然な雑談に対してリスニングのトレーニングができると思います。英語の発音はそれほどクセもないのでおすすめです。日本に在住の英語話者の雑談なので、話題もとっつきやすくて良いです。

リスニング難度A+_街を行くアメリカ人の声
以降からかなりレベルがあがってきますが、リスニング難度A+_街を行くアメリカ人の声は路上を歩いているアメリカ人へのインタビューを録音したもの。台本もなく、話題も「アメリカの誇りとは」や、「人生の転機は?」などの質問に対して、ネイティブスピーカーが考えながら話すので、スピードやイントネーションも自然なものです。難度A+の後半は強烈ですが、個々のインタビューは難易度別にレベル分けされており、ボキャブラリーのチェックリストもあって使いやすいです。

AFN最強の生英語リスニング―スポット・アナウンスメント
AFN最強の生英語リスニング―スポット・アナウンスメント も、特にアメリカンイングリッシュに慣れたい方におすすめです。「AFN(旧FEN)」というラジオ英語放送で実際に放送されたCMを収録したものです。ラジオCMなので一本あたりが1分程度なので集中して進められます。CMという限られた時間の中でのネイティブ向けCMなので、表現やスピードにおいてかなり強烈な負荷がかかります。

イギリス英語を聞く THE BLUE BOOK
イギリス英語を聞く THE BLUE BOOK は、ブリティッシュイングリッシュに慣れたいという人におすすめ。 こちらもインタビュー形式でUKのカフェの店員なんかに話しかけたりします。こちらも強烈なクセを話すひとが登場したりして、かなり難易度高めになります。

これらの書籍で共通したトレーニングの仕方としては、聞きながすのではなく、時間があるときはノートに聞いた文章を書き出す(ディクテーション)。時間が無いときには、フレーズごとに中断して、必ず声に出す(シャドーイング)をして、負荷をあげることがポイントになります。
ニュースを聞く
興味が湧く時事ニュースを取り入れるのも良いと思います。
スクリプトがないと聞き流したところのフォローができないので、ぜひスクリプトや字幕がある素材をえらびましょう。
VOA (Voice of America)
VoAが英語学習者向けにコンテンツを提供しています。スクリプトもありますし発音がCNN他よりもややゆっくりなので、とっつきやすいと思います

BBC
イギリスのBBCが運営する英語学習サイトです。
ABC News
オーストラリアの公共放送局である、ABC (Australian Broadcasting Corporation)のラジオサイトです。ブラウザでラジオが聞けます。スクリプトはありませんが、オーストラリアにに興味がある方は。

あとは、ニュースではありませんが、TEDももちろんおすすめ。スクリプトから音声にジャンプできるとかよいです。

発音のトレーニング
あと、発音です。
個々の単語が正しい発音でなくても大概通じます。lice と rice が間違われるなんて、聞いている人が意地悪なだけです。話が通じないのは、話す情報量(単語)が少なすぎることが原因が多いと感じます。
なので、発音をなめていたのですが、どうやら発音はリスニングの向上に寄与するという話もあり(話せる英語は聞き取れる、というものです)発音を向上させるための書籍も紹介しておきます。


以上、長くなりましたが、ビジネスで使える英語習得法、特にリスニングとスピーキングを向上させる方法をご紹介しました。
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